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ハイスピードハイライン考察
ロッドチップの軌跡、加速、停止、これらの三要素によりラインの状態が決まります。
曲げられたロッドは単純に反発復元するとチップの軌跡は円弧になります。
ロッドのような先細りであるテーパー状弾性物は上手く反発させるとその先端はより直線的な軌跡を描き尚かつ理想に近い加速と停止が得られます。
ロッドのバットからチップまで弾性値が連続変化する特性を引き出すようなロッド操作によりそれらを実現させることができます。
ロッドの操作にはスタートから停止まで滑らかさを求めるための遊びやドリフトによる緩衝動作は基本的に必要としません。
正確な動作の角度や方向と加速減速とタイミングが要求され リッツの記述はそのための具体的な手法です。

ハイスピードハイラインを説明するにあたり前述の数行で事足りるかもしれません。
リッツは物理的な理論にはあまり踏み込んでいません。
後年多くの誤解を生むことになろうとは想像していなかったかもしれません。
著書にある数点の写真と図面が想像を膨らませハイスピードハイラインの普遍的語意などが意図しない結果に繋がっているようです。
それは実際のキャスティングメソッドだけでなくハイスピードハイライン理論の位置づけにまで及んでいます。

リッツは自分のキャスティングスタイルを読者に理解してもらうために事細かに記述しました。
書いてあることに忠実に従えばHS/HLを体得できるはずです。しかも簡単に誰でも短期間でマスターできるとまで書いてあります。
近年はロッドの素材も進化してみんなハイスピードハイラインであると言う認識は間違いです。
ロッドが変わってもHS/HLはキャスト法として存在し今でも優位的な手法であると思います。

ロッドの動作についての数少ない記述の中に次のような一節があります。
「ある感じがつかめると突然にロッドの完全な静止ができ、ラインが引っ張り始めるとロッドは自然なベンドを形づくる。」
ロッドのバイブレーションをドリフトで処理するというような記述はありません。
これは理想的な停止がロッド自体の動作で完結するということでHS/HLの核心であると思います。
そしてチップの直線的な動きとその移動距離が長くなることを強調しています。
リッツの記述を何度も読み返し試行錯誤して何年経ったでしょうか、それなりに確信を深めてきました。
一番エキサイトな気分になったのはそのキャスティングメカニズムに明確な物理的特徴があることに気づいたときです。
加速、振動、弾性といった基礎的な物理要素の概念を整理した上でキャスティング動画の編集やアニメーション画像の作成など映像処理全般を通じて思考を進めるといろいろと新しい発見があるものです。

最終的に行き着いたところは振動モードの違いです。
これに関しては別項で詳しい説明を試みようと思います。
ここではリッツの記述を引用しながら映像や図解を使って説明を進めたいと思います。

(続く)・・・